昨日発表された雇用統計
結果は予想を大幅に上回る52万8.000人増(予想25万人)
雇用統計の他に発表された「失業率」は低下し「賃金の伸び」は加速しました!
- 失業率:3.5%(予想:3.6%)
- 平均時給:+5.2%(予想:4.9%)
雇用統計のポイント
良い見方をすれば、堅調な労働環境により、米国経済は強くリセッションの懸念は和らぐこととなります。しかし、悪い見方をすると力強い経済はインフレ抑制のため、利上げを行っても問題ないということがわかりますね。
どちらにせよ、昨日発表された雇用統計は予想を大幅に超えすぎた結果となってしまいましたね。。。
予想を大幅に上回る結果はバイデン大統領にとっては朗報!?
さて、改めて米雇用統計の結果を振り返っていきます
7月米雇用統計結果
- 非農業部門雇用者数:52.8万人増(前月比)
- 失業率:3.5%
- 賃金上昇率:5.2%上昇(前年比)
就業者数と失業率は、新型コロナ禍前の水準に回復し、経済はほぼコロナ前に戻ったようですね。
2022年1月からの数字を見ると、すべての月で予想を上回っており、失業率も徐々に下がっていることがわかります。
大手IT企業のGAFAMが採用活動を抑制したり、テスラなどの大企業がlayoff(一時解雇)に踏み切るニュースが流れており、
雇用市場にとってマイナスな意見が出てたのですが、まだまだ、レジャー・サービス業などの雇用が強いようですね!
そして、今回の結果で喜んでいるのは、バイデン大統領でしょう!
インフレ・物価高を背景に国民の生活を圧迫させ支持率が下がっているなか、今回の雇用統計は米国の力強い経済の回復を意味しておりますので、
11月の中間選挙に向け準備しているバイデン大統領にとってはポジティブな結果だったと思います。
米国経済が強いことを喜べない米国市場
今回の雇用統計の結果は、米国市場にとって完全にネガティブなニュースになったと思います。
理由は、先月末に発表したパウエル議長の発言です。
9月のFOMC会合での利上げ幅はデータ次第で決める
と会見で語っており、3回連続となる0.75bp利上げの可能性も残しているからです。
0.75bpの利上げを行うのだけでも歴史的なことなのに、『3回連続0.75bp利上げ』となったら、市場は確実に混乱しそうですね!
今回の米雇用統計だけの数値を確認する限りでは、0.75bpの利上げが濃厚かもしれません!
ただ、あくまで雇用統計の数字をベースにFOMCは利上げ幅を決めるわけではありません!
FOMCが重要視している指標は『消費者物価指数(CPI)』
次回のCPI発表は8月10日。
前回(6月)の結果は9.1%。今回(7月)の予想は8.7%となってます。
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