8月10日(米国時間)に、米国労働省から『7月の消費者物価指数(CPI)』が発表されましたね。
結果はコア指数ともに民間予想を下回り、米国市場は一気に上昇となりました!
今週1週間だけでも、SP500・NASDAQ・ダウ指数・ラッセル2000の全ての指数が上昇しました。
米国も、ようやく物価が下落するということで、一安心しているのではないでしょうか。
確かに、先月の6月を境に物価のピークは収まってきていると思います。
もともと「エネルギー価格が落ち着いてきている」という情報もありましたので、今回発表されるCPIは先月より落ち着くことが予想されてました。
CPI発表をうけて
ただ、今回のCPI発表をうけ、細かい情報を確認すると安心していいものかは不明です。個人的には9月のFOMCは、まだまだ75bpの利上げが濃厚と考えております。
今回発表されたCPIの詳細をかみ砕きながら確認していきたいとおもいます。
消費者物価指数は8.5%の上昇で予想を下回る
さっそく、8月10に発表された消費者物価指数を確認していきます。
7月消費者物価指数
- 予想:8.7%
- 結果:8.5%
先月、40年ぶりに更新した9.1%の消費者物価指数を下回る結果となりました。
変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は5.9%の上昇(予想6.1%)、
前月比比較では、CPIが0.0%の横ばい(予想:0.2%)、コア指数は0.3%の上層(予想:0.3%)の結果です。
結果だけみると、ほぼ全ての数値が下がっていたということもあり、9月のFOMCの利上げ予想も75bpから50bpにとどまるという予想が一気に多くなってます。
しかし、今回の結果だけを見るかぎり、私個人の意見としては9月のFOMCでの利上げ幅は今の段階で75bpと考えております。
まだまだ安心できない品目別の物価上昇率
9月のFOMCでの利上げ幅が75bpと考えている理由としては『品目別の物価上昇率』です。
発表された品目別の上昇率を確認すると、
品目別 物価上昇率
- ガソリン:44.0%上昇(前月59.9%上昇)
- 食料品:10.9%上昇(前月10.4%上昇)
- サービス:5.5%上昇(前月5.5%上昇)
- 住居費:5.7%上昇(前月5.6%上昇)
- 航空運賃:27.7%上昇(前月比7.8%減少)
内訳を確認すると、エネルギー価格の急低下が大きく影響しておりますが、実は食料品などは引きつづき、高い上昇傾向が続いております。
品目別 物価上昇率のポイント
- 家庭用食品は13.1%上昇(前月12.2%上昇)で、3か月連続で2桁台の高い伸びが続いている
- 一番心配なのが物価全体の3割のウェートを占める『住宅費』の上昇。7月は5.7%上昇(前月5.6%上昇)と上昇が加速している
いったん上昇すると、なかなか下落しないと言われている厄介な品目が【高止まり】してるといった印象を受けました。
そして、先週発表された雇用統計は予想を大幅に上回る53万人。
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雇用統計の他、平均時給の上昇傾向も続いているという観点から、サービス価格は今後も高止まりの傾向が続くと予想してます。
もちろん、9月のCPI発表やそれ以外の経済指標の発表により変わる可能性はあります。
ただ、今回発表されたCPIの材料だけでは、引き続き9月のFOMCでは『75bpの利上げ』が有力ではないかと考えております。