動画制作・デザイン制作を行うクリエイターには、
必ずといっていいほど導入されているデザインソフトを手掛けるAdobe。
今週、2022年第1四半期の決算発表がされました。
決算の結果として、
過去最高の売上を計上したものの、第2四半期の業績見通しが下振れし業績も減速見通しとなりました。
前回の決算発表でも、第1四半期の見通しを引き下げ、それまで好調だった株価も軒並み下落となってましたね。
年初来では、約25%の株価下落、6ヶ月の期間でみると約30%以上の株価下落となっております。
では、具体的に発表された決算を確認していきます。
■Adobe 第1Q決算
売上:42.6億$(予想:42.3億$)
EPS:3.37$(予想:3.34$)
冒頭にも申し上げましたが、売上は過去最高を記録、YoY(前年比)も約9%の成長となりました。
更に当四半期中には約380万株を買い戻した事も発表されております。
しかし、2021年のAdobeが決算で発表していたYoYは+20%を超える数値となっておりましたので、
明らかに成長が鈍化していることが分かります。
更に、第2四半期の業績見通しも発表されております。
■Adobe 第2Q決算
売上見通:43.4億$(予想:44.0億$)
EPS:3.30$(予想:3.35$)
売上は第1四半期を超え、更に過去最高を更新しそうです。
しかし、第2Qの成長予測も10%を下回ったところから
投資家からの売り圧力が強まり、株価は約10%の下落となりました。
下記は、過去のアドビの業績と成長率推移をグラフ化させたものです。
最近の成長率の下落が明らかですね。。。
2021年は新型コロナウイルスによるパンデミックが追い風となり、
20‘%‘を超える高い成長率を更新しておりましたが、
新型コロナウイルスも終焉を迎えつつあるなか、アドビの成長も鈍化しております。
2022年3月4日、
アドビはロシアおよびベラルーシにおいて製品およびサービスの新規販売の停止を発表しました。
ロシアでの全てのAdobe製品およびサービスの新規販売を全て停止したと発表しています。
ウクライナ戦争による制裁ですね。
更に、新規発売の停止以外にもロシア政府系メディアからのAdobe Creative Cloud, Adobe Document CloudおよびAdobe Experience Cloudへのアクセスの停止も発表しております。
この影響から、2022年度のAdobeの収益では7,500万ドルの影響が出ると予想されており、
ガイダンスの数値も、ウクライナ戦争の影響が影を潜めている事が分かります。
次回以降の決算では、下方修正を行ったガイダンスから更に下回ってしまった場合、
更なる株価の下落が予想されますので、今後のAdobeへの投資は少し検討を行った方が良い可能性がございます。